価格交渉、5つのポイント =お金の話は苦手だという方のために=

※本稿は「中小企業応援リレーコラム(公益財団法人まちみらい千代田)」に執筆した「価値組企業の価格思考」より一部を抜粋したものです。全文(7つのポイント)をご覧になりたい方はこちらから。

1.価格交渉は説得より納得

交渉である以上「説得」という側面があるのは否めませんが、意識して欲しいのは説得ではなく「納得」です。

2.原価は原価、売値は売値

価格を考えるうえで原価は重要な要素ですが、原価に縛られ過ぎてもいけません。売値には「当社の価値」を織り込まなければいけないからです。たとえ同じものであっても、当社が手掛けたからこそ生まれる価値が必ずあります。

3.価格交渉は短期、中長期に分けて考える

短期の交渉が具体的、定量的であるのに対し、価値を訴求する中長期の交渉は抽象的、定性的になりがちです。最終的にはその価値を感じてもらえるかどうかになるので、行政が支援してくれることもなければ、発注企業側から話を振ってくるようなこともありません。

4.交渉順序に注意する

値上げ効果が大きいからと言って、売上の多い先から交渉を始めて失注するようなことになれば、事業の存続が危ぶまれる状況に陥ります。そうならないためにも価格交渉はさほど重要でない先から順に取組んでいくことが肝要です。

5.価格交渉は断られてからがスタート

価格交渉は「断られて当たり前」という心構えが必要です。仕入れ担当者は安く仕入れるのが仕事ですから、こちらがどんなに安い価格を提示しても必ず難色を示します。イヤな顔をするのが仕事なのですから、それを恐れる必要はありません。

この記事を書いた人

荒谷 司聖のアバター 荒谷 司聖 代表取締役

㈱プラスタスパートナーズ代表取締役
一般社団法人ちよだ中小企業経営支援協会代表理事
1973年、東京江戸川区生まれ。学習塾講師、市場調査会社を経て現在。
後継者支援を中心とした中小企業支援、およびそのノウハウを活かした金融機関向け営業研修事業を展開しています。また2016年からは下請法を踏まえた価格交渉術に関する知見を積み、各地の商工会議所、業界団体等にて受注企業の立場に立ったセミナーを開催しています。

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